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WEEKENDSについて

現在、というか何年も前から、「コンテンポラリーダンス」の世界に閉塞感を感じていました。時に「意味不明」「気持ち悪い」とさえ言われるほど懐の深さを持っていたジャンルから、多様性がだんだんと失われ、その歪さを含んだ生命力が陰っていったように感じています。
方向性は異なれど身体表現を志しているアーティストが関係を築いたり、これまでの「コンテンポラリーダンス」の歴史や表現者を振り返ったり、未来について考えたりできる機会を作りたいと思いました。

 

全てのプログラムは週末に行われます。


「週末」というのは、平日と平日の繋ぎ目であり、友人と過ごしたり、趣味に打ち込むなど、次の活動に向かって力を蓄える、あるいは普段できないことを試みる時間であるということができます。
「コンテンポラリーダンス」について、一度立ち止まって考えると同時に、新たな挑戦を試みる。これからの身体表現のための「週末」を開催します。

 

The Conference

Phyms

身体表現を志すアーティストの協働機会を創出することを目的に、2022年に設立したプロジェクトです。2022年2月にダンスアーティスト3名と音楽家1名によるワークインプログレス『and then to』を発表し、以降は月に一度のディスカッションを重ねてきました。今回は吉田拓が企画を、黒瀧保士、山田有浩、吉田の3名が運営を担っています。

PROGRAMS
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WEEKENDS programs

1月20日(土) 14:00

オープニングレクチャー

「民主化するコンテンポラリーダンスのゆくえ」

講師:越智雄磨

1月20日(土) 17:00

読書会
『Who Dance? 振付のアクチュアリティ』より

ゲスト:越智雄磨

1月21日(日) 14:00

ラボラトリー
「ダイアローグ・コレオグラフィ」

ファシリテーター:吉田拓

2月9日(金)~11日(日)

オムニバス公演「PaSSaGeS」

作品発表:

小山柚香、藤井友美、山田有浩、由佳とやえこカンパニオ、吉田拓

3月2日(土) 15:00

特別上映『Hangman Takuzo』

ゲスト:余越保子

3月23日(土)14:00

ラウンドテーブル
「明日からのコンテンポラリーダンスについて(焚き火か炬燵を囲むみたいに)」

ゲスト:塚原悠也(Contact Gonzo)

前売・当日
¥1,000

1960年前後に登場した「暗黒舞踏」や「ポストモダンダンス」、1990年代に現れた「ノン・ダンス」へと時代が進むとともに、振付家はダンスで扱う対象を<美しい動き>から、<醜さを含んだ生命>や<日常>、<人という存在>へと拡張してきました。
その過程や背景、そして現在世界の振付家が試みていることや、未来への視座を気鋭のダンス研究者・越智雄磨が<民主化>を補助線に語ります。

1月20日(土) 14:00 / オープニングレクチャー
「民主化するコンテンポラリーダンスのゆくえ」

講師:越智雄磨

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越智雄磨(おち・ゆうま)

東京都立大学人文社会学部准教授。早稲田大学坪内博士記念演劇博物館招聘研究員。博士(文学)。専門はフランスを中心としたコンテンポラリー・ダンス研究。早稲田大学演劇博物館においてコンテンポラリー・ダンスに関する展示「Who Dance? 振付のアクチュアリティ」(2015-2016)のキュレーションを担当。著書に『コンテンポラリー・ダンスの現在─ノン・ダンス以後の地平』(2020)がある。

1月20日(土) 17:00 / 読書会
『Who Dance? 振付のアクチュアリティ』より  

参加費
​無料

ゲスト:越智雄磨

2015年に早稲田大学演劇博物館で開催された『Who Dance? 振付のアクチュアリティ』展は、2000年代以降に発表されたダンス作品やプロジェクトにフォーカスし、時代と共に拡張されてきた「振付」という概念について問いかける画期的な展覧会でした。
舞踊研究者の論考が数多く掲載された展示図録の中からテキストをピックアップし、展示を企画した越智雄磨とともに語り合います。
​(ご予約くださった方には、事前にテキストデータをお送りいたします。)
Speakers

1月21日(日)14:00 / ラボラトリー
「ダイアローグ・コレオグラフィ」

参加費
​無料

ファシリテーター:吉田拓

現代の「choreography=振付」が扱う範囲や方法は、実に多種多様です。さらに「振付」を「生き物の動作の素因」と考えると、あらゆる指示や、生物を取り囲む環境、気候の変化や天体の運動まで含まれるでしょう。
本ワークショップでは参加者同士が対話するように振付を行い、発表、ディスカッションを通して、それぞれの「振付」を体験・言語化し、シェアすることを目指します。
吉田拓(よしだ・たく)

1988年、兵庫県出身。桜美林大学総合文化学群演劇専修卒業。現在はダンス作品の創作やパフォーマンスプラットフォーム”Stilllive”への参加等を通して、身体表現を多角的に探求している。身体表現を志すアーティストの協働機会を創出するプロジェクト”Phyms”発起人。
©︎シロボン
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前売・当日
¥2,000

参加アーティスト:小山柚香、藤井友美、山田有浩、
           由佳とやえこカンパニオ、吉田拓

「PaSSaGeS」では上演までの創作期間に、アーティストが互いの稽古場に足を運び、創作途中の一場面やアイデアを共有し、ディスカッションを行います。そのようにして、アーティストを繋ぐ「Passage(=通路)」を作ると共に、その経験は各作品を繋ぐ「Passage(=メロディ同士を結びつけるフレーズ)」ともなるでしょう。


​音響・照明:早川誠司

2月9日~11日 / ダンスパフォーマンス「PaSSaGeS

2月9日(金) 19:30開演

2月10日(土) 16:00開演

2月11日(日) 16:00開演

©︎鈴木陽
小山柚香(こやま・ゆうか)

振付家、ダンサー。日本の東北地方やインドネシアの郷土芸能へのリサーチを通して、アジアに共通して見られる土着的な身体の在り方や信仰・文化と、東京での暮らしを照らし眺め、作品制作を行っている。近作では仮面を用いたパフォーマンス作品「Semut-ant」(2022)、「BUMI」(2023)などがある。
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藤井友美(ふじい・ともみ)

幼少期よりモダンダンスをはじめ、その後黒沢輝夫、下田栄子、黒沢美香、木佐貫邦子に師事。2008年~2017年 黒沢美香&ダンサーズのメンバーとして活動し様々な作品に出演。
2019年〜2020年にNYへ渡り、Gibney Dance にて1年間の振付家プログラム修了。
©︎金子愛帆
大橋可也&ダンサーズ『リターナー』より
撮影:栗田真帆
由佳とやえこカンパニオ

由佳(ゆか):高橋由佳。大橋可也&ダンサーズ、uni (うに)、アウトリーチ企画やアート作品への出演をする傍ら幼稚園教諭二種免許と保育士資格を取得、同年より保育士としても働く。

やえこカンパニオ:作品制作や実験を通して人が緩やかに繋がっている場。”柵が一つしかない牧場”と例えている。
メンバーや主宰者などの概念は持たないが、主に横山八枝子がのんびりと耕している。
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山田有浩(やまだ・ありひろ)

1983年鹿児島生まれ。作曲や即興演奏活動を経て踊りはじめる。室伏鴻、岩名雅記に師事。ソロ作を国内外で発表。蔵での無音・無照明の月例即興シリーズ等もある。重度訪問介護や文筆も行っている。
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3月2日(土)15:00 / 特別上映
『Hangman Takuzo』

前売・当日
​¥1,000

ゲスト:余越保子

振付家・余越保子が監督・撮影を務めた映像作品『Hangman Takuzo』。タイトルとなっているアーティスト・首くくり栲象は、自宅の庭で毎日首を吊る「首くくりアクション」を20年以上にわたって続けました。
本作には首くくり栲象と、振付家・ダンサーの黒沢美香、そして二人が尊敬するダンサーである川村浪子が出演し、それぞれの身体や言葉が交わります。上映後に余越保子によるQ&Aを開催します。
「Hangman Takuzo」
(2010/46分


監督・撮影:余越保子
出演:首くくり栲象、黒沢美香、川村浪子
協力:黒沢美香アーカイブズ
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余越保子(よこし・やすこ)

舞踊家、振付・演出家。京都在住。1996年よりニューヨークを拠点に振付家として作品を発表。ベッシーアワード、ジョン・サイモン・グッゲンハイム・メモリアル・フェロー、ニューヨーク市芸術家助成フェロー、Foundation for Contemporary Arts Awardなど受賞。2010年に映像作品『Hangman Takuzo』を自主制作。本作品はmhPROJECT (NY) 、神戸映像資料館、小山登美夫ギャラリー、シアターイメージフォーラム(Dance New Air主催)、Nooderzone Performing Arts Festival (オランダ)などで上演。近年は羽鳥ヨダ嘉郎著による「リンチ(戯曲)」(第20回AFF戯曲賞受賞記念公演(愛知県芸術劇場主催)の演出を担当。垣尾優、アラン・シナンジャ、小松菜々子のダンサー3名と共同で身体的な戯曲の解読を試み、2022年11月に愛知県芸術劇場にて上演。本作品は来年秋再演を予定。
映画『Hangman Takuzo』について
──余越保子

映画『Hangman Takuzo』は2010年4月、瀬戸内海の大崎上島にある古民家で撮影されました。当時ニューヨークを拠点に活動していた余越保子が監督と撮影を担当し、首くくり栲象、故・黒沢美香(黒沢美香さんは2016年12月に亡くなられました。)、川村浪子の3名が参加しました。ライブパーフォーマンスという儚い世界で生きてきた4名のアーティストが、永遠を約束してくれる「映像」にロマンと希望を持って臨んだ実験的試みでした。

首くくり栲象さん ──英訳は「Hangman Takuzo」、よって映像のタイトルとなる── は、40年以上「首吊り」という行為を芸術活動として行い、東京の国立市にある自宅の庭にて自身のパーフォーマンスを「庭劇場」として上演し続けています。パートナーは日本のコンテンポラリーダンスのパイオニアである振付家・ダンサーの黒沢美香さんです。この2人が、「この人こそ真のアーテイストだ!」と尊敬してやまない川村浪子さん(撮影当時72歳)は「前進歩行」という、自然の中で裸体で歩くという行為芸術をする人です。浪子さんの行為の目的は、自然に存在する木々や葉っぱのように自然に裸体でいることです。首くくり栲象さんと黒沢美香さんの間で交わされる軽妙な会話とインタビューに稀代のアーテイスト、「前進歩行」で知られる川村浪子さん がパーフォーマーとして加わります。

この3人に共通するのは、自身の身体を使った芸術行為という、その場・その瞬間にしか立ち現れない活動にその人生をかけていることです。その行為は存在した瞬間に消えてしまいます。「その瞬間に生きる」3名を記録に収めるというアイロニーを含んだ映像がこの映画『Hangman Takuzo』です。

参加費
​無料

ゲスト:塚原悠也(コンタクト・ゴンゾ)

2006年に結成され、国内外で活躍を続けるコンタクト・ゴンゾ。その創設者の一人である塚原悠也は近年、表現活動に加えて、「コンテンポラリーダンス」のディレクションや後進の育成にも力を注いでいます。本ラウンドテーブルでは「WEEKENDS」に携わったアーティストや観客が輪になって、塚原と共に「コンテンポラリーダンスの未来」などについて語り合いたいと思います。

3月23日(土)14:00 / ラウンドテーブル
「明日からのコンテンポラリーダンスについて
(焚き火か炬燵を囲むみたいに)」

塚原悠也(つかはら・ゆうや)
contact Gonzoメンバー​
京都国際芸術祭KYOTO EXPERIMENT共同ディレクター​
2002年にNPO DANCEBOXのボランティアスタッフとして参加した後、運営スタッフとして勤務。2006年パフォーマンス集団contact Gonzoの活動を開始。殴り合いのようにも、ある種のダンスのようにも見える、既存の概念を無視したかのような即興的なパフォーマンス作品を多数制作。またその経験をもとに映像 写真、様々な形態のインスタレーション作品、雑誌の編集発行、ケータリングなどもチームで行う。2011-2017年、セゾン文化財団のフェロー助成アーティスト。2020「読売演劇大賞」スタッフ賞受賞(演劇作品「プラータナー」におけるセノグラフィと振付に対して)、2021年contact Gonzoとして京都市芸術新人賞受賞。​
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会場

会場 StudioGOO

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黒瀧保士​(くろたき・やすし)

1986年、東京都出身 
2010年、日本マイム研究所の所長、佐々木博康氏にマイムを師事。並行してクラシカルバレエを学ぶ。人間の儚さ、人間とは何かをテーマにマイムを基にした身体表現を追求している。

企画・制作:Phyms 

©︎Rinko Tsukamoto

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フライヤーデザイン:菊井崇史

WEBデザイン:吉田拓

助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[スタートアップ助成]

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